「自動カンナ」の使い方

上記は、「自動カンナ」と「手押しカンナ」が一体化した複合機になります。左の写真は正面からの写真です。中央付近のテ-ブル台に材料を乗せ左側面の昇降ハンドルを回し材料と回転刃の距離を調節します。

木材の切削量を確認するには、写真中央部に「切込みゲ-ジ」があり、切削量を1㎜・2㎜・2.5㎜と目盛りがあり昇降ハンドルにてテ-ブルを上下させることにより切削量を調節します。

切削量は、木材の幅によっても変わってきます。板幅:150㎜以下の物は、2.5㎜まで切削可能、板幅:180㎜以下1.5㎜まで、板幅:312㎜以下1㎜となっています。板幅が広くなれば、切削抵抗も大きくなるため、機械(モ-タ-)への負荷もおおきくなります。また、規定値以上の負荷を掛けますと故障の原因になりますので注意が必要です。また、材料の欠損や割れ、又は断片が飛んできたり、回転刃を折損したりと良いことは何もありません。慌てず焦らず落ち着いて作業に取り組みましょう。安全第一です。

・自動カンナで板に鉋をかける。

板の厚みを整える「自動カンナ」に板を挿入する際、注意点が2つあります。

一つは、上記で触れました切込量です。板幅に対して適正な切込量かどうか、切込が深いと板を差し込んだ時、板の上面角が欠損したりすることがあります。これは、高速で回転している回転刃に木材が当たったときに、余分に刃物が食いつき抉れたような感じになるためです。

二つ目に、板の木目が「順目か逆目」かという事があります。

これを間違えるとカンナをかけることで、表面が綺麗になるはずが、毟れや割れが生じてかえって汚くなってしまいます。順目・逆目は、材料の方で説明していますのでそちらをご覧ください。

他にも細かな注意点は、有りますが上記の二点、

・①切込量の適正値

・②木材の順目・逆目の向き

以上を間違わなければ、板の厚みと表面の仕上がりは問題なく綺麗に加工できます。

 

「手押しカンナ」の使い方

「手押しカンナ」は、木材の角を直角に整えるときに使用します。私は、主に角材の各角を90度にするときに使用します。

なぜ、90度にこだわるか、90度が出ていないと角材を寄せ集めて板を作るとき、微妙な隙間が空き綺麗な板ができません。ですが、各角が90度になっていると、隣り合った面と面が気持ちよく密着し、接合面に隙間は生じません。このように加工物の精度を上げたいとき「手押しカンナ」は頼もしい道具であります。

使用方法は、切込ハンドルを回して切込量を調節し材料を側面定規に押し当てて、写真の右から左に材料を送ります。私は、切込量を1㎜に設定して使用しています。

上の写真、赤いマ-カ-で直角マ-クを記載している角の90度を出すために「手押しカンナ」を使用します。

手押しカンナの使用上の注意点

「手押しカンナ」も高速でカンナ刃が回転し切削する工具です。この高速回転部に触れると大怪我の恐れがあり注意が必要です。基本的に回転工具を使用するときは軍手などは巻き込みの心配があるため着用せずに加工します。

加工上の注意点は、「自動カンナ」とほとんど同じです。切込深さ(切削量)の適正値と材料木材の順目・逆目の向きの見極めが重要になります。

・手押しカンナ使用上の注意 まとめ

  1. 加工時、軍手は着用しない。首からタオルをぶら下げての作業もNG!巻き込まれたらタダでは済まないよ。
  2. 作業は基本両手で行い、高速回転する回転刃の上に指や手を極力近づけないようにする。
  3. 長さ300mm未満の短い材料で作業しない。材料が弾き飛ばされた時、即回転場に手や指を接触させることがあり非常に危険。
  4. 作業時は、ゴ-グルを必ず着用する。弾き飛ばされてくる木片は、避けるのがほぼ無理です。まさに弾丸です。
  5. 機械本体にあまり体を近づけ過ぎない。
  6. 作業を数時間行うと足元に削りカスがたまります。バランスを崩して転倒し、回転場に接触した掌の肉をミンチにされたという事故案件もあります。作業空間は、整理整頓を心がけましょう。
  7. 最後に手押しカンナ・自動カンナに関わらず電動工具を使用中は、作業に集中し余計なことは考えないようにしましょう。無我の境地です。多くに事故例で被災者が口にすることは、「他ごとを考えていてつい・・・」です。「つい」であなたの大事な体の一部が無くなります。集中して細心の注意で作業してください。

*メモ):「自動カンナ」「手押しカンナ」共に動作音が非常にうるさい工具になります。

電気カンナの使い方

「電気カンナ」は、手にもって板や角材の鉋掛けを行う機械です。先ほどまでの「自動カンナ」「手押しカンナ」は据え置き型の工具でしたが、こちらはサイズも小さくなって取り回しの良い工具になります。

 

電気カンナは、私は普段の作業ではあまり使用しない工具です。電気カンナは、表面が汚い板や角材を素早く一皮むくことができ便利ですが、幅広の板を鉋掛けするのは少しコツと熟練度が必要です。その理由は、幅広の板の表面を電気カンナで鉋掛けした際、カンナが通った部分を少し重ねながら万遍なくカンナを掛けるのですが、どうしても目違い・段差ができてしまいます。この段差を手カンナで慣らすかサンダ-で削ってしまうかのどちらかの工程が余分に発生するので310㎜までの板なら自動カンナで一発加工してしまいます。

この段差を幾分か解消する方法としては、電気カンナのブレ-ドの両端を少しRがつくように削ります。イメ-ジとしては、トリマで使用する「ディッシュカッタ-」のような両端が丸い刃形にかこうすると段差に丸みが出来て線状の段差にはなりにくくなります。そうすることで後処理も作業しやすくなります。

電気カンナも切削量(切込深さ)をはじめから深くせず少しずつ表面を削ることにより機械への負担と材料へのダメ-ジを最小限に抑えることができます。

ここでも、慌てず焦らず安全作業!です。