木材の選び方(材料について)
木材の選び方は、材質、価格、木目とその時その時で優先順位が異なります。ここでは、適材適所の材料の選び方について話して行きます。
・木材の性質
まず初めに、木目の見方と木材の「反り」について見て行きます。これがある程度理解できていると製作途中で反ったりする材料を購入する確率がかなり抑えられます。
木材の「反り」は、製作に最も影響を与えます。場合によっては、木材の再購入または、一部の部分を作り直しの必要も出て来てしまいます。これでは、満足のいく作品は作れません。
という事で、木材の「反る方向」ついて早速見て行きましょう。
木材の「反り」は、木目を見れば分かります。特に「反り」が出やすいのが、板目板です。板目板とは、下図の様な木目の板です。ちょうど丸太を製材するときに図示したA位置から製材したものが、この板目板に相当します。
「板目板」は、木材が丸太だった頃の外側樹皮の方が「木表」、丸太の芯の側が、「木裏」といいます。この、「木表」の方向に両端が丸く反ります。下図の赤線にて表示されたようにまさに反る感じです。よって、板目板を材料とする場合には、この反る方向も考慮して組立てる必要があります。
また、製材の仕方によって、「柾目板」と呼ばれる板も有ります。これは(丸太図)をB位置で製材して得られます。この柾目板は、反り捻りともあまり出ません。しかし、板目に沿って割れやすいという欠点もあり、製作物の性質をよく考えて選択する必要があります。
木材を購入する際は、この木目と木口(切り口)を確認し大体どの方向に反るのか見当をつけ製作物のどの部分に使用するか考えておくと部材取りもスム-ズに進みます。
次に、「反り」と同じく厄介なのが「捻り」です。木材購入の際は、一番先端からもう一方の先端を見るようにしてねじれや捻りがないことを確認して購入してください。
そしてもう一つチェックポイントがあります。よく格安価格で幅広の一枚板が売られていることがあります。格安には格安なりの理由があります。よくある理由としては、「芯持ち」であるという事です。「芯持ち」とは、木材の中心(丸太の中心)を含んでいるという事、図にすると木口がこんな感じになります。
では、なぜ「芯持ち」はダメなのかそれは、乾燥が進むと芯近く中心付近で板が割れるからです。幅広の板でも中心から割れてしまえば本来の使用目的を満たせなくなることはよくあります。なので、柱に使われる角材は、この芯持ち材を使用することがありますが、「背割り」といってあらかじめに丸鋸などで縦に一発中心までの切込を入れます。そうすることにより乾燥が進んだのち自然に「バカッ」と割れることを防いでいます。芯持ち材は、非常に丈夫なので柱などにはよく使われています。
よって、芯部分をテ-ブルソ-でカットして取り除き、製作物に使用できるのであれば、価格が安い分、お買い得な材料とも言えます。
・一般的な木材の調達場所「ホ-ムセンタ-」
皆さん、木材を購入する先としてまず思いあたるのが、ホ-ムセンタ-だと思います。ここでは、「ホ-ムセンタ-」に良く売られている材料でDIYに使用できるものを中心に話をすすめます。
まず、ホ-ムセンタ-に良く売られている木材の種類として、「ヒノキ」「杉」「赤松」「柘植」「ラワン」「パイン集成材」「ウエスタンレッドシダ-:ベイスギ」「ウリン」「イペ」「各種合板:ベニヤ板」などがあります。
また、ホ-ムセンタ-では、2×4や1×4といった木材も売られています。これはSPF材と呼ばれる材料で主に北米産のマツ科常緑針葉樹でS(spruceスプル-ス:エゾ松)・P(pineパイン:松)・F(firファ-:もみの木)の頭文字をとってSPF材と呼ばれています。よって、SPF材の積まれている木材の山には、これら3種類の木材が混在して売られています。
では、それぞれどんなところにどんな材料を使用すればいいのでしょうか。ここからは、材料の適材適所を見ていきます。
・屋内使用の家具・小物に適した材料とは?
屋内家具に使用する木材は、ほぼ雨に濡れることがないのでどんな材料でも差し当たっては大丈夫ということになりますが、見た目が綺麗で時間の経過とともに風合いが変わって、長きにわたって使い続けることを考えた場合、「集成材」がおすすめです。ホ-ムセンタ-で取り扱いがある「集成材」の種類は、「パイン集成材」「タモ集成材」「杉集成材」などがあります。その中で価格・強度・仕上がり具合のバランスが取れた材として私は、「パイン集成材」がおすすめです。比較的幅広の製作物も製作可能です。パイン集成材には、板の厚みが、15㎜・18㎜・25㎜が比較的大きなホ-ムセンタ-にも常備在庫で置かれています。サイズは、幅:300㎜~910㎜・長さ:910㎜~1820㎜というのが一般的です。また、500㎜×4200㎜×25㎜といったカウンタ-テ-ブルに使用できる長辺の材料も大きなホ-ムセンタ-では取り扱いがあります。
ここで、パイン集成材で製作した作品例をお見せします。
「パソコン机と文具・書類整理ボックス」です。ボックスの中には棚が好きな高さで二枚設置できるようにしています。集成材は、反りも少なく表面も比較的綺麗に仕上がるのでおすすめの材料です。
この他に屋内使用であれば、SPF材や「ヒノキ」・「杉」・「柘植」といった材料も製作物が綺麗に仕上がり加工も比較的しやすい材料になります。
・屋外の工作物に適した材料とは?
屋外に適した材料は、水濡れに強く直射日光にも変形・反り・捻りが比較的出にくい材料が適しています。
では、屋外に設置する木造工作物として代表的なのが、「ウッドデッキ」ですね。晴れた日に椅子を出してコ-ヒ-を飲みながら読書やランチを楽しみ、開放的な空間を提供してくれます。「ウッドデッキ」があるお宅も多いと思います。
「ウッドデッキ」」の様に年中雨ざらし野ざらしの構造物に使用する木材として、「イペ材」「ウリン材」「ウエスタンレッドシダ-」などが有名です。
「イペ材」「ウリン材」は、非常に重く硬い木材です。通常、「ウッドデッキ」は、塗料の塗り替えなどメンテナンスが必要ですが、「イペ材」「ウリン材」で製作したデッキは、ほぼ「ノ-メンテ」です。材の色は、製作当初と比べると変色しますが、材質等は全く問題なしという事です。ただし、材料の価格がかなり高いです。使用年数と数年に一度のメンテ費用を考量して費用対効果で考えるならかなりおすすめな材料になります。
デッキ材でよく使われるのが、「ウエスタンレッドシダ-」です。日本名「ベイスギ」とも呼ばれ独特のいい香りがします。材そのものも先の「イペ・ウリン材」に比べて軽く・柔らかいので加工もしやすいです。価格もお手頃価格で手に入りコスパは大変良い材です。ネット販売なども利用するとされにお値打ちに購入できます。ただ、ノ-メンテというわけにはいかず、年に一度最低でも二年に一度、塗料の塗り直しなどのメンテナンスが必要です。
価格的にお手頃な物としては、「杉」材も侮れません。「杉」は、軽く柔らかいので、傷がつきやすいですが、水濡れにも比較的強い材料です。また、国内生産されているので、ちょっと田舎に出かけた際に、製材所などで安く販売しているところを教えてくれたり、直売しているところもあるので機会があれば現地で聞いてみてください。(場所によっては、直売をしていないところもあるので現地確認でお願いします。)
国産材でもう一つ、「ヒバの木」も水濡れには、大変強い木材です。ただし、「ヒバの木」は、高級木材なのでホ-ムセンタ-ではあまり見かけません。近くの木材店に問合せするか、ネット通販を利用するかで入手します。地元の木材店は、確認したのち取引してください。