継ぎ手の技法を学んだら何でも作れるよ!
継ぎ手の技法、これをマスタ-若しくは自分で出来ると製作できる物の幅がグ-ンっと増えます。
初めは、切断した板の切口(木口:こぐち)をもう一方に合わせて、釘や木工用ボンドで接合するのみですが、継ぎ手の技術を勉強すると
ほとんど釘も木ねじも使用せずに組み立てが可能です。
その究極系が、宮大工です。
Youtubeにもいろんな継ぎ手加工の動画が流されていますが、その精度と加工の美しさには、唖然とします。
木工製品は、ヨ-ロッパにもあると思いますが、日本の宮大工さん達の技術は、外国のその道の職人さん達も驚きの連続のようです。
正直私も「凄い」の一言でした。
昔は、鋸・鉋・鑿を駆使してあの複雑怪奇な形状を掘り出し、接合していたと思うとただただ頭が下がります。
何がすごいって、きちんと嵌る・吸いつく・接合するところです。ガタガタなんかしてません。
NCマシニング(注)で加工したかのような加工レベルです。
- (注)NCマシニング:主に金属加工で使用される工作機械。座標情報を元に対象物を削って形状を作る機械。
けど、あれ機械でも無理じゃないかって物もあります。できないこともないと思いますが、冶具に固定して加工してまた角度を変えて冶具で固定して加工してって段取りの工数がかかり過ぎて現実的ではないものも沢山あります。
昔の人々が考えて徐々に進化して今に伝わった日本の宝の様な技術だと思います。ですが、そんな凄い継ぎ手技術ですが、加工されている建物の柱と柱が交わるところや建物の土台や屋根裏でその個所を見ても凄さが伝わらないと思います。
なぜかというと、表面的にはその複雑さが見えなくしてさりげなくそこにいるって感じで、俺は凄いんだぞ-って主張しない。とにかく普通に見える加工技術だということです。普通と抽象的に言いましたが、派手に装飾された物ではないという事です。凄いものを隠し持っているのに、主張しない。日本人らしい個性が見て取れるような気がします。
一度、Youtubeで検索してみてください。「こんな加工が施されているのか!!」ってビックリしますよ。
例えば「半いすか竿車知継ぎ」「はんいすかさおしゃちつぎ」と言います。検索してみてください。動画が出ています。
この継ぎ手、接合面のずれを防止する凸凹を設けて、かつ経年変化による木材の捻りや反りといったことまで計算された継ぎ手加工です。言葉で聞いても意味わからん!!だと思います。興味がある方は、検索してみてください。動画やCGを見れば納得いただけると思います。
また、検索すれば、その他の継ぎ手加工例も一緒にヒットすると思います。見てみてください。こんな技術が、昔から我が国にはあるんですよ。今も昔も物作りに精通した国民なんですね。
上記のような継ぎ手加工は、普段の日曜大工といった作業からは、異次元の産物過ぎて参考になりません。
自分で本棚や机・椅子・小箱・筆箱・箪笥といったものを自作するなら以下のような継ぎ手加工が出来れば何でも作れます。
:最低これだけ知っていればあなたも家具職人!!12の技法。:
・相欠き継ぎ・・・二つの部材を十字で接合する
・ダボ継ぎ・・・材料に2つ以上の穴を開け丸棒・ダボを差し込んで二つの部材を接合する
・ホゾ継ぎ・・・角材を組み合わせるときに使用する強固な組手
・クサビ入り通しホゾ継ぎ・・・ホゾ継ぎと基本は同じだが、ホゾの木口に切込を入れホゾ穴に通してから切込にクサビを打ち込む。
・挽き込み留め継ぎ・・・45度にカットされた材料を90度に接合しその角の木口に切込をいれ、サネ(実)と呼ばれる板を差し込んで補強する継ぎ手
・大入れ継ぎ・・・板の厚みの1/3の深さの溝を掘りそこにもう一方を差し込んむ継ぎ手
・アラレ組み・・・箱ものによく使う継ぎ手。木口を凸凹に加工してしっかりと組み合わさる継ぎ手。
・小穴作り・・・引き出しの底板をはめ込むときによく使う技法。細い溝を掘り裏板をつける技です。
・平接ぎ継ぎ(イモ接ぎ)・・・木工用ボンドで木口同士を接着し幅広の板を作る継ぎ方。(注意するポイントあり!にて別途記載)
・本ザネ継ぎ・・・片方の木口にサネ(実)という凸部を加工し、反対側の木口にサネが入る凹部を加工し板を接ぎ合せる技法
・ビスケットジョイント・・・電動工具のビスケットジョンタ-で加工した溝にビスケットに似たチップを埋め込み板を接ぎ合せる技法
・埋め木・・・ビス打ちするためにあけた穴を丸棒で埋め目立たなくする
注意するポイントあり!(板接ぎ)
板には、表裏があります。年輪の内側を木裏といい、年輪の外側を木表と言います。
板は、乾燥すると木表側は凹んだ様に反り、木裏側が凸になります。
なので、板を接ぐ際は、木口が、木裏・木表・木裏・木表・木裏・木表と並べて接合します。こうすることにより、
ある一方向へ板が反って丸まるのを防ぎます。
まとめ
日曜大工をするなら、上記12の方法を知っていれば、おおよその物は作れます。どのような加工方法なのかは、詳しい図や動画が公開されています。
興味のある方は、検索してみてください
では、今日はここまで。