トリマビットの種類・加工方法(レール & スタイルビット)

 

今回は、写真立てや窓枠、家具の扉・絵画などの額縁を製作するときに使用する「レール & スタイルビット」を紹介します。

洋服ダンスや食器棚を製作する際、正面に取り付ける扉を綺麗でおしゃれな感じに自分で、しかも簡単に製作できればいいですよね。

それを可能にするのが、ここで紹介する「レール & スタイルビット」です。

「レール & スタイルビット」は、ビットの種類の名称で、いろんなパタ-ンがあり、その一つ一つに名前がついています。

では、以下その使用方法と注意点などを紹介していきます。

ビットの形状と加工

まず、初めに紹介するのが、「レ-ル&スタイルビット(スタンダ-ド・オ-ジ-)」です。

このレ-ル&スタイルビットビットは、2つで1セットです。まず、写真の左側のビットが、「レ-ル・ビット」で右側が「スタイル・ビット」です。

上記図黒い太枠が、木材輪郭です。それぞれ、レ-ルビットの加工面とスタイルビットの加工面を示しています。スタイルビットで加工した端面にレ-ルビットで加工した端面がすっぽり嵌り込んで接続します。

加工の手順について

まず、この加工には、ル-タ-スタンドがあると非常に加工効率がいいのと、作業姿勢が安定して行えるので安全に作業ができます。ここでは、ルタ-スタンドを使用して加工した場合で説明します。

この加工のポイントは、それぞれ「スタイルビット」と「レ-ルビット」の加工時の高さがあっていないと組み立てたときに長手と妻手の接続部に段差が出来てしまいます。このことに注意して加工するようにします。(写真参照)

 

では、まず、「レ-ルビット」で上図の黄色の側面を加工します。これは、妻手側の木口面4か所の加工です。ここで加工したビット高さを次のスタイルビットでも合わせる必要があります。

本番材料で加工すると失敗したときに再度材料の切り出しや調達を行う必要に迫られますので、セッティング時のテストカットは、同じ厚みの端材を用意しておくことをおすすめします。

また、「レ-ルビット」の加工面は、木口面なので切削面が狭く短いので材の送り出しが難しいと思います。そんな時は、マイタ-ゲ-ジなどを使い材料の姿勢を安定させると加工しやすくなります。

レ-ルビットの加工が終了しましたら、「スタイルビット」をル-タ-又は、トリマに装着し、刃物の出し位置を調整しテストピ-スを加工し先ほど加工した、レ-ルビット加工面に嵌めてみて接着面に段差がないように、「スタイルビット」の刃物の高さ調節を行います。微調整が完了したら、上記図の薄緑の部分の加工を行います。

このスタイル・レ-ルビットには両方にそれぞれベアリングがついています。材料は、ベアリングにあたるまでしっかりと挿入し加工します。

材の送りの速さは、あまり速くしないでください。材にヒビが入ったり、割れたりする原因になりますので、切削音を聞きながら落ち着いて確実に加工してください。こうして、うまく加工できるとこのように綺麗に接続できます。ピタッと来たときは、とても気持ちがいい物ですよ。

その他のレ-ル&スタイルビット

レ-ル&スタイルビット(ベベル15°)

レ-ル&スタイルビット(カ-ブ)

レ-ル&スタイルビット(スタンダ-ド・オ-ジ-)

レ-ル&スタイルビット(クラッシック・ビ-ズネイル)

・まだまだ、種類もパタ-ンもありますが、全てを紹介する事は難しいのでこのあたりで終了とします。

上記で紹介しましたビットは、別記事で材料・工具のお店紹介で取り上げてています。そちらも参考にしてください。

今回のビットは、「ディグラム」というネットショップです。こちらのビットは、海外製品向けなので、工具のシャンク径が日本仕様とは違います。

日本仕様は、Φ6㎜又はΦ12.0㎜(6㎜:トリマ、12㎜:ル-タ-)ですが、1/4または1/2と表記されています。

1/4=6.35㎜1/2=12.7mmとなります。よって、日本仕様のトリマ・ル-タ-は、各メ-カ-にてコレットを1/4インチと1/2インチのコレットスリ-ブ又は、コレットに交換してご使用ください。そのままでは、コレットに入りません。

コレット・スリ-ブに関しては、各メ-カ-にお問合せしてみてください。お近くの販売店を教えてもらえます。私もそうして購入しました。

シャンク径が異なりますが、コレットを交換すれば国内で販売されている「日立工機」「マキタ」の製品は使用できます。私は、メ-カ-にて交換用コレットを購入してこれらシャンク径の違うビットも使用しています。トリマのコレットは、1つ1000円もしません。正確な金額は、問い合わせが必要ですが、500円もしなかったと記憶しています。

最後に

トリマやルータ-は、高速で主軸が回転する工具です。ちょっとうっかりが思わぬ事故につながる危険な工具であることを常に意識し、落ち着いて作業に集中し快適な木工ライフを楽しんでください。