木工用ボンドの使い方
ここでの主役は、いつもの電動工具でも木材でも棚でも家具でもありません。縁の下の力持ち「木工用ボンド」について紹介したいと思います。
「木工用ボンド」普段の生活ではあまり使わないかもしれませんが、工作などで使用したことがあるのではないでしょうか。ホ-ムセンタ-や文具店などで売られています。
木工用ボンドの成分
木工用ボンドは、酢酸ビニル樹脂系エマルジョン形接着剤というそうですが、化学に精通している人以外はこれを見てもどういうものなのかわかりませんね。
酢酸ビニル樹脂系エマルジョン形接着剤というのは、酢酸ビニル樹脂の粒子が水の中に散在して乳液状になった接着剤とでも言えば良いのでしょうか。酢酸ビニル樹脂は、身近なところではガムです。ガムベ-スは、この酢酸ビニル樹脂です。酢酸ビニル樹脂は、水に溶けないでアルコ-ルや油に溶ける性質があります。軟化点が、40℃~50℃ぐらいで柔らかくなるので主な用途が、接着剤かガムベ-スということになるのでしょう。
接着力のもとは、CO基による水素結合が接着力の理由であるようです。
因みに化学式はこんな感じになるようです。
C2H4+CH3COOH+1/2O2→CH2=CHOCOCH3+H2O (エチレン法)太字の部分が、酢酸ビニルです。この酢酸ビニルを付加重合させるとポリ酢酸ビニルになります。
これが、ガムベ-スであり木工用ボンドの主成分です。ちょっと、高校化学の授業みたいでしたね。
木工用ボンドの正体がわかったところでその用途とホ-ムセンタ-や文具店で売られている木工用ボンドについて以下紹介していきます。
「木工用ボンド」の用途
「木工用ボンド」の用途は、木材・紙・布の接着に用意ます。耐水性はなく、基本的に水に濡れる場所での使用には向きません。ですが、水性で使いやすく安全で乾燥するとほぼ半透明になり目立ちません。私は、接着以外に半乾きの木材を乾燥させる際、木口(コグチ)に木工用ボンドを厚めに木口全体に塗布します。こうすることにより、外気に触れ一番乾燥が進む「木口」の割れを防ぎ且つ乾燥が穏やかに進んでいくので「木口」割れが最小限に抑えられます。
用途:木・布・紙の接着
特徴:水性で使いやすく安全。乾燥すると半透明
また、木工用ボンドの中には、プラスチックや金属とも接着できる物も売られています。それがこれです
あの木工用ボンドで金属やプラスチックと接着できる!そんな商品もあったんです。「木工用ボンド・多用途」です。因みに、接着できる組み合わせは以下の通り
- 木・布・革・紙と木・布・革・紙
- 木・布・革・紙と塩化ビニル樹脂(通称:塩ビ)
- 木・布・革・紙と金属
木材等の多孔質材と各種プラスチック・金属と接着できると商品説明欄にはあります。これがあると製作の幅が広がりますね。木材だけでなく金属やプラスチックまで木材に接着できるんですから頼もしいアイテムになること間違いなし。私もホ-ムセンタ-で早速購入しました。
また、乾燥時間を短縮したい方には、こんなのも売られています。それがこれ。
「木工用ボンド・速乾」です。通常の物より乳液が濃い感じがします。要するに、水分を少なくしより乾燥する時間を短縮したのがこの「速乾タイプ」です。
私もこの速乾タイプをメインで使用していますが、通常品との比較では、広い面を塗り広げるには、乳液が濃くなっている分作業がしずらいです。面で塗り広げる場合は、通常品がおすすめです。ですが、箱や棚など塗布面積がそれほどでもないようなところには、この速乾タイプは重宝します。液が濃い分垂れてきにくいです。液が薄いと伸ばすのは楽ですが、垂れてきます。そうすると作品以外の所も汚してしまうのでその点でも私はこちらの速乾性を主に使用しています。
木工以外での「木工用ボンド」の活躍の場
私は、木工で木材の接合・接着に「木工用ボンド」を使用していますが、巷には、メインの使用方法とは違った使い方で「木工用ボンド」を使用している方たちもいるようです。
ここに、使用例を列挙しますと。
- 突起物や形が複雑な樹脂製品の掃除(例:テレビのリモコンのボタン面)
- 女性のネイル(マネキュアを塗る前に下地として使用)
- 錆びた金属面の錆落とし
などです。では、順に簡単にどういう使い方なのか説明します。
1:突起物や形が複雑な樹脂製品の掃除(例:テレビのリモコンのボタン面)
これは、埃や手あかで汚くなったリモコンのボタン面を綺麗にするというものですが、まず電池を必ず抜いてから、汚くなったボタン面に「木工用ボンド」を少々厚めに塗り広げあとはひたすら透明になって乾燥するのを待つだけです。乾燥したら、端からカバ-を外すようにめくっていくだけ。これが、驚くほどきれいになります。女性の顔面パックのような感じです。乾燥が不十分で行うと途中で切れたりするので焦りは禁物です。時間の余裕をもって行ってください。分厚く塗布するので、目安は、2日乾燥です。
2:女性のネイルの下地
これは、これで綺麗なネイルが出来るのかどうかわかりませんが、ネイルの後処理を簡単にするための方法のようですが、コツがありそうな気がします。
まず、いきなりマネキュアを爪に塗るのではなく、木工用ボンドを薄く爪に塗り、乾燥させます。半透明になれば「木工用ボンド」は、乾燥しています。この状態で、いつもの様に爪にマネキュアを塗布します。すると、帰宅後リムーバーで爪のマニキュアを拭き取らなくても「ペロ」っと一枚はがせば、「アラキレイ!」って感じで元に戻せるというものですが、私は男なので、マニキュアは塗りませんが、コツと熟練度が必要な気がします。これは、あくまでプロ並みの仕上がりを想定しての感想です。
3:錆びた金属面の錆落とし
錆落としは、結構重労働ですし、先ほどのテレビのリモコンのように凹凸があると隅々までピカピカにするのは難しいです。木工用ボンドは液状ですのでどんな形にも合わせることができその接着力で錆を吸着してごっそり綺麗にしてくれます。使用例の画像が、ネット上にいくつかありますが、かなりきれいになっていました。
ここでもコツは、慌てずに完全に乾燥「半透明になるまで」をしっかりと守り一気に剥がすこれだけの様です。
目から鱗の使い方もありましたが、水性で有機溶剤などを使用していない安全で手についても、水洗いで綺麗に落とせますので皆さんのアイデア次第で、もっと面白い使用方法が生まれるかもしれませんね。その時は、是非私にも教えてくださいね。それでは、今回は、この辺で。